組織は矛盾した存在である

 頭では理解していても、納得するまで丸3年かかりました。
 頭が悪くてすみません。


 「君のそのコミュニケーション能力がないから、問題が悪化するんだよ」
 「薬をもっと飲みなさい」
 「職場の人と仲間意識を持ってですね」
 「ともかく、環境というよりあなたの問題ですから」
 自分が抑うつ状態になっている主因を特定しようと、色々助言を頂いておりましたが
ようやく「あぁ、自分は矛盾に満ち満ちたこの環境が耐えられないのだな」と気が付きました。


 それまでは「私の能力や正確、物の捉え方に対して問題がある」
 実は私の能力や性格に問題があったわけではないのです。
 単純に、当然として存在する組織の矛盾・一貫性のなさ・理不尽さといったものに対して
漠然とした不満を持っていただけなのです。
 そして、その不満に対する“対策”が全然身についていないだけなのです。


 こう考えて見ますと、いわゆる心療内科や精神科の医師が患者に助言している内容の多くは
ある種の患者(私のような「頭で理解していても、納得しなければ行動に移さないタイプ」)にとって極めて残酷です。
 色々な言動で、患者本人に対して問題意識を持たせるのは誠に結構なことですが、
患者は「自分のアイデンティティに矛盾を持たなければならないのだ!」と錯覚する恐れがあるからです。


 そんなことをしたら不幸せどころか、耐えられなくなって自殺するにきまってます。
 アイデンティティの部分、つまり「私たる私」は理性と感情により一定の安定(もしくは麻痺と言っても良いでしょうが)を保ったほうが、幸福に感じるものです。
 宗教や哲学は、その好例です。


 さて、主因がはっきりした以上、対策すべく戦略を練ればよいのですが
おそらく戦略を練って実施するのにまた3年はかかるでしょうね。
 納得しないと動きませんからね、この人は。