酒と泪と男と女

 ようやく、この歌が解るような年齢と気分になりました。
 他人と自分を比較はしたくないのですが、どんどん転がり落ちていく自分を観ていると
 もはや客観ではなく主観でも「こいつは無価値だ」と思えてくるものです。


 お酒を飲んで飲んで、何もかも忘れてしまおう。
 分かる気がします。
 「有史以来、女はご主人様で、男は奴隷のままだ」
 ある作詞家の言葉ですが、歌詞を見ていて、歌を聴いているとそう思えてなりません。
 男というのは可哀想な生物です。


 男っていう生物は、何と儚く弱いものか。
 それに比べて女という生物は、何と自由で強いものか。


 今日は久しぶりに、お猪口にお酒でも注ぎましょうか。
 弱弱しさを見せたら、いや、見せることができないのならば
 お酒を飲むことは何よりの救いなのだと思って。

酒と泪と男と女
河島英五作詞・作曲


忘れてしまいたいことや
どうしようもない寂しさに
包まれたときに男は
酒を飲むのでしょう
飲んで飲んで 飲まれて飲んで
飲んで飲みつぶれて 眠るまで飲んで
やがて男は 静かに眠るのでしょう


忘れてしまいたいことや
どうしようもない悲しさに
包まれたときに女は
泪みせるのでしょう
泣いて泣いて ひとり泣いて
泣いて泣きつかれて 眠るまで泣いて
やがて女は 静かに眠るのでしょう


またひとつ女の方が 偉く思えてきた
またひとつ男のずるさが 見えてきた
俺は男 泣きとおすなんて出来ないよ
今夜も酒をあおって 眠ってしまうのさ
俺は男 泪はみせられないもの
飲んで飲んで 飲まれて飲んで
飲んで飲みつぶれて 眠るまで飲んで
やがて男は 静かに眠るのでしょう