節操のない人間
「科学者という生物は、節操がないんだ」
故・田中先生の言葉です。
科学者というものは、データのみが全てで、思想や信条といったものは加味しない。
「正しい!」と自ら鼓舞していたことが間違いだったとしても、
何ら悪気を持つことなく、また新しい「データ」を元に「正しい!」と述べるものだ、と。
こだわりなどなく、
データのみを全てと考え、そこに理性を集中させる。
それが科学者なのだ、と。
サラリーマンになって4年目になりますが、
「お前のココがダメだから認められない」と上司に言われる機会は増えました。
同時に「何故ダメなのか?」と尋ねると「お前が考えろ」「知らん」と言われる機会も増えました。
データがないのに「正しい」「間違っている」ということは、ある種の感情論なのですが、
世の中は感情で動いているものだと改めて思います。
節操のない人間とは、理性にのみ従う人なのかもしれません。
そう割り切れる市井の一学者に、私はなりたいものです。