法曹界のPlain English

 知財を離れて2年が経ちました。


 伝票処理と契約書処理という良いご身分で、毎日仕事をしております。
 最近になって、法曹界で『Plain English』なる概念が存在すると聞きました。


 事の発端は1946年に発表された随筆『Politics and the English Language(政治と英語)』に始まります。
 「政治に用いられる抽象的で難解であった英語を、平易で簡素な英語に戻すべき」という当時の主張は、保険のパンフレットの難解な文章、契約書特有のラテン語に至るまで、その内容を“判り易い英語”に戻そうという運動へと繋がっていきます。


 所謂『Plain English Campaign』が巻き起こるのです。


 そういえば、知財協の研修では「明細書はなるべく、わかりやすい言葉を使うこと」なんて習いましたね。
 特許用語とも言うべき「嵌合」や「繋止」は使わず、もっと簡単な用語を用いましょうと。
 今考えれば、そんな法律用語変革の時期にいたわけですね。


 ところで、私がこの一連の話を聴いたときに疑問が一つ。
 

で、結局は誰が得をするの?

 法律文章が簡単に読めるようになる。
 それによって、誰がどのように得をするのか。
 何かしらのカラクリがあるはずです。
 そうでなければ、政治家はともかく保険屋や弁護士の連中が応じるはずがない。


 法律屋の飯のタネが増えるからなのか。
 それとも、英語の影響力を強めるためか。
 どちらにしても、かんたんなコトバがもとめられているじだいになったようです。