昭和16年夏の敗戦
- 作者: 猪瀬直樹
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2010/06/25
- メディア: 文庫
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【参考】ゲル長官による本の紹介
予約3ヶ月待ちで、ようやく借りることが出来ました。
まだ全てを読んだわけではありませんが、「なぜ日本はあの敗戦を迎えたのか」という問いかけに対して、一つの視点からこれだけ切り込むことができる猪瀬副知事の文才に驚きを覚えました。
猪瀬氏、30代前半の著作です。
そして、この本の登場人物たちも同じ30代前半。しかも、官民学問わずエリート中のエリートたち。
「その場の空気で物事を決める」
「誰が決定しているのか、誰が責任を取るのか曖昧」
これらは敗戦を迎え、67年経った今でも日本に残る慣行なのだと思います。
政府、地方自治体、大小を問わず私企業、学校、家庭に至るまで、全てに共通した行動パターン。
先の原発事故もそうですが、やはり戦前も戦後も日本はあまり変わっていないということです。
もちろん日本だけの慣行だとは思いたくありませんが。
空気を読むということ、責任を曖昧にすること。
それが結果としてどんなことを引き起こすのか。
社会に入る前に、政治や社会を論じる前に、一度読んでおくべき本だと思います。