黒澤映画『生きる』

母から「病気だと知ろうとしなかったら、騙し騙し生きられたじゃないか!」と言われて、黒澤映画『生きる』を思い出しました。末期ガンであることを知った主人公を描いた作品です。「生」と「死」を見事なまでに対比させて描いたこの作品には、人間の生き方には2種類あるのだということも描かれています。


『惰性に任せる生き方』『悩み苦しむ生き方』


誰しもがそうであるように、多くの人は前者を「選択」して生きるものです。「選択」したというより、自然な成行でそのような人生を過ごすのかもしれません。
私の場合は、若くして後者を「選択」することとなりました。他から見れば、自分で自分を不利に追い込んでいるような生き方ですが、それもまた私の人生です。


そして、どちらを選択しようが、どちらも人間らしい生き方です。どちらが正しいとか、間違っているとか云ったレベルではありません。どちらも正しいのです。
それは何故か?
その人が納得した人生であれば、何の問題もないからです。「楽であろうが苦しもうが納得すれば、それが幸福なのだ」ということも、この作品のテーマの一つであると思います。


古い作品ですが、宜しければレンタルでもして観てみて下さい。色々学べることの多い作品です。