放浪の天才数学者エルデシュ

放浪の天才数学者エルデシュ

放浪の天才数学者エルデシュ



皆さん、数学は好きですか?級数とか、微分積分とか、ベクトルとか、素数とか。こんな単語を聞くと頭が痛くなる人もいるのではないでしょうか。私は、昔から数学が大の苦手です。生活に困らない程度の簡単な計算はできますが、「○○を証明せよ」とかいう問題にぶち当たると
(´Д`).。o○(適当でいいじゃん)
そう思ってしまう人なので、細かい計算はあまり好んで出来ません。それゆえ高等数学や理論物理学計量経済学を嗜める人を無条件で尊敬してしまいます。数学出来る人ってスゴイと思いませんか?


本書の主人公、故ポール・エルデシュは天才数学者にして、稀代の奇人変人の一人です。毎日3時間の睡眠で食事以外の時間を数学の定理や証明に費やしたと言う伝説的な人物。生涯独身で孤独だったと思いきや、カバンにノートやスーツなど最低限の物を持って、世界中の大学で講義を重ね、その地その地の数学者の自宅で世話になりながら交流に努めた人間関係に長けた人物だったそうで。本書は、そんな偉大な数学者を扱った伝記です。
この本の良い所は、数学嫌いな人でも「素数とは何か」「無限級数とは何か」といった数学特有の用語も事細かに説明してくれていること。それにまつわるエピソードと課題、エルデシュが仲間の数学者と共に何を果たしてきたのかを一頻り理解することができました。
(´Д`).。o○(素数って面白い)
と、数学の偏差値最下位な私でも思ってしまうほど、数学というのは摩訶不思議な世界だと思いましたね。そんな世界に住む数学者は変な人ばかりですけども、エルデシュはさらに輪をかけて変な人だということも分かりましたし。逆に、数学がなぜそこまで人を魅了するのかも、ちょっとだけ理解できたように思います。法学や物理学といった人間本位の学問と異なり、“SM”の手にある“ザ・ブック”を扱えるという創造主の世界に触れている点、ある種の羨ましさを感じてしまいます。


人々と共に生きようとしたエルデシュ。一生のうちに、こんな素晴らしい学者に会ってみたいものです。