【映画】アメリカン・ギャングスター



就職活動の息抜き。
映画日と決めた土曜日がやって参りました。
今日のレイトショーは『アメリカン・ギャングスター』です。


お話は、かなり昔のニューヨーク。
デンゼル・ワシントン演じる黒人マフィア(フランク・ルーカス)と
ラッセル・クロウ演じる刑事(リッチー・ロバーツ)の戦いを描いたこの作品。
本当の実話なんだそうです。
賄賂や汚職、薬物の横流しをする警察官。
今では考えられませんが当時は当たり前だったそうです。


自分のボスである大物マフィアが亡くなり、フランクは新たな麻薬ビジネスを始めます。
それまで混ぜ物が多かった市中の麻薬に目を付けたフランクは、生産地のベトナムまで直接買い付け
『ブルーマジック』なる純度が高い麻薬を格安で売り始める。
それまで仲介業者たるマフィアにより純度が下がり、価格が上がる現状を打破し
麻薬市場の中で勝ち抜いていくシステムを作り上げたのです。
それは誰も成し遂げられなかったことでした。


一方、取得物の大金を懐に入れる事無く届け出たリッチーは、今や警察内部で爪弾き者。
弁護士を目指して夜学のロースクールにも通う彼は、生粋の正直者でした。
そんなある日、彼に連邦から麻薬取締官としての任用を受けます。
「今の麻薬取締局では役に立たない」
そんな使命を受け、『ブルーマジック』から大物マフィアを探すのです。
リッチーはフランクが本締めであることに気がつきます。


しかし、フランクも黙ってはいません。
リッチーの友人を通じて買収を試みたり
汚職に手を染めた警官を差し向けてみたり
様々な妨害工作を繰り返しますがリッチーは折れません。


そしてついにフランクが築いたシステムが崩れることになるのです。
フランクからの電話を傍受したリッチーは、とうとう麻薬製造の現場を押さえます。
雪崩を汲んだようにフランクも逮捕。
そんな状態でも今までの警察官を買収したように甘い言葉で誘うフランクにリッチーは、こう言い放つのです。
「これまでに不正を行った警察官の名前を挙げろ」
懲役70年にも及ぶ刑期を短縮する代わりに、自らの身内である警察官の名前を挙げるように言うリッチーに
今までの警察官とは違うことに気がつくフランクは、折れることになります。


ニューヨーク市警麻薬取締局の3/4が有罪となり、不正体質が改められる警察。
この貢献が認められ、フランクは懲役15年に。
1991年に釈放されることになりました。


ここの出てくる主人公たちは、実に不器用な人たちばかりです。
フランクも、リッチーも、どちらも正直な人間なのですが生きることに不器用なのです。
しかし、慎重で思慮深く正直者であるからこそ、何か人としての魅力を感じるのかもしれません。
私はフランクにも、リッチーにも魅力を感じました。


※私信はありません。