このロボットを前にして

 組み立て中のロボットを前にして、たまにこんな自問自答をするのです。
 「このロボットと10年間、一緒にいるだろうか?」と。


 10年後のロボットは、機能的にも意匠的にも優れているでしょう。
 対して、このロボットは見るも無残なほどに古めかしく弱々しいでしょう。
 そのときまで、このロボットは一緒にいるだろうかと。


 私の答えはこうです。
 「このロボットは10年後も、私と共にいる」
 そのままの機能と意匠であろうと、または、改造に改造を重ねて優れたものであろうと。
 私はずっと持ち続けると思います。


 私が出来ることを信じ続け、このロボットが出来ない事も信じ続けることこそ
 人間とロボットとの信頼関係の基礎となる。
 そう、信じています。