上下前後はあっても左右はない

 認知の世界において、「左右をどのように認識しているか」という難問があるそうです。


 まあ、確かにそうですよね。
 立っていれば通常は上下(地面と空中)があって、前後(顔と背中)はありますけど
 右左ってコロコロ変わりますよね。


 地面が左になることもなければ
 前を歩いている人が後ろに180度首を回すこともあり得ない。
 右隣にある花を見ながらくるくる回れば、右隣になったり左隣になったり。
 よくよく考えてみると「左右」という概念自体、後付みたいなもののように感じます。


 もっと分かりやすく言えば、一枚の風景写真を見て
 その写真が左右逆になっているかどうかは(人工物があったり、見たことのある風景でない限り)わからないと思います。
 それほど上下前後に比べて、認知能力は低いということです。


 人間の能力って言うのは、一筋縄ではいかないですねぇ。


 仮にロボットがいたとして、基準軸を与えないまま「右へ歩け」と言ったらどんな動きをするのやら。
 グルグル回り始めるのか。
 何らかの基準となる点や線を見つけて、動き始めるのか。
 それとも「右とは何か?」という根源的な質問をしてくるのか。
 とまあ、こんなお馬鹿な事を考えながら最近は仕事をしています。


 仕事なんて暇つぶしですよ、本当に。