放送大学『記憶の心理学』を観る

 昨日の夜でしたか。
 たまたま放送大学を観たら、『記憶の心理学』なる講座が放送されておりました。
 途中から観始めたので、ワーキングメモリの仕組みから話を聴いてました。


 「リーディングスパンテスト」なる方法により、その人のワーキングメモリの容量がわかる。
 具体的には、ワンセンテンスを10個読んでもらい、読み終えた後に、各センテンス毎に設定された単語を思い出してもらう。全ての単語(すなわち、10単語)を思い出すことが出来れば5点満点。
 大学生を被験者とする実験結果はおおよそ3点から4点の間。


 人間は読みながら、先の文章も読んで記憶しながら読み続けるため
 ・読むこと
 ・単語を記憶すること
 この2つを同時にこなしているわけです。
 そこで問題になるのは、この2つの作業を処理する能力に個人差はあるのか。
 その差に有意性はあるのか。


 答えは「Yes」。
 読むことにだけ容量を取られると、記憶している単語が少なくなるのは他の実験でも相関関係が見られる。


 さらにこの仮説が正しいかどうかを検証するため、英文の読み方の違いにも注目。
 ある文章を読ませたときに、補文の長さにより文章の読むスピードが異なるかどうかを調べたところ、
 やはり補文が長いほど、読むスピードが遅くなる傾向が見られる。


 こうしたワーキングメモリの性質というのは、人間独自のものなのか、生物ならば全てにあるものなのか。
 その仕組みは未だに解明されていないとのことですが、私はこの概念が実に「人間くさくて好き」です。
 一筋縄ではいかない、複雑であり矛盾に満ちた概念。


 来週の放送も楽しみにしています。