出向という名の片道切符

 厚生年金の支給年齢の段階的引き上げに伴い、事実上の定年延長が開始されます。


 所謂『高齢者雇用安定法』ですが、これが各企業の人事部の悩みの種でした。
 しかしながら、この法律は意外なほどザル法です。


 端的に申し上げますと、親会社がグループ会社を一つ立ち上げて
 親会社で定年になった人間をこのグループ会社に転籍させても、法律的な問題はないのです。
 たとえ、そのグループ会社の仕事が力仕事だろうが、人間の尊厳を損ねるものであろうが。
 法律で認められている以上は、違法ではない。


 ザルといえば国民年金ほどザルなものはない。
 穴が開いたバケツ(国民年金)に、貯まっていた別のバケツの水(厚生年金)を入れて一元化なんてしたものですから
 こんな無理が出てくるのは当たり前です。
 そもそもバケツが違うんですから。


 今や、厚生年金基金すら廃止して厚生年金にちょい足ししようとしている始末。
 目も当てられません。
 どこまで人を馬鹿に出来るのか。
 もしくはどこまで人は馬鹿に成れるのか。


 兎も角、悪法いえども法律ですから、従うしかありません。