アメリカの政治的伝統―その形成者たち
アメリカの政治的伝統―その形成者たち〈1〉 (岩波現代叢書)
- 作者: R.ホーフスタッター,田口富久治,泉昌一
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1959/10/24
- メディア: 単行本
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「アメリカは原理原則を好む」
アメリカ特許法の講義の際、教授が口癖のように仰っていた言葉ですが、アメリカにおいてはニュアンスが若干違うようです。
1947年に発行された本書を私なりに解してみれば
「歴代の大統領って、利益誘導するために原理原則を利用しながら新政策を毎回打ち出すんだけど、原理原則に勝てる新政策って出てこなかったよね?回顧主義かよ!」
うーん、そうかな?
本書に登場するトマス・ジェファーソン、アンドリュー・ジャクソン、カルフーン、リンカーンは、「建国の父たち」と並び称される代表的な政治家たちです。
政治スピーチや一般教書演説でも度々登場するこれら有名政治家もまた、現代のアメリカを担う政治家たちと同じように(伝統を壊すため、もしくは伝統に回帰させるための)新政策を採用しては、原理原則に戻ってしまう。
ちなみに、ここでいう原理原則というのは「建国の父たち」が遺した独立宣言並びに合衆国憲法、これらに付随するシステムにあります。
アメリカは、原理原則があるからこそ、あれだけの人種を束ねて国家を構成しうるわけで。
さらに云えば、「建国の父たち」が原理原則をきちんと整備したから、未だに使用可能なわけで。
今の我が国の政治を顧みて、逆に羨ましく感じてしまうのは私だけでしょうか・・・。
だって、原理原則も何もないでしょ。
今の政治を見ていると。