影法師をお供に

 

 たまに思うのですが、自らの影が別人のように思える瞬間があります。
 寄り添う何者かに見えます。
 不思議な感覚に襲われます。


 影というのは面白いものです。
 私そのものは変わらないのに、影は姿を変え、時に消えます。
 歩いているこれは、まぎれもない私。
 この影は、私であるが私ではない。
 しかし、常に私の傍にいるもの。
 それが何となく嬉しい。


 自分の影を見て、ふと微笑むのは何故でしょうね?