理性と酒と

 今日は朝からお酒を飲んでいます。お酒は、実家から持ち出したVSOPクラスのブランデーです。甘い香りと、そして咽る程の度の強いお酒。


 仮に、理性こそが悩みの本質であるならば、その理性を麻痺させればよろしい。実際、お酒を浴びるように飲んでいる時は至福の時間のようです。精神を病みかかっている人間がアルコール依存症になる気持ちが、ほんの少しながら理解できる気がします。悩みから開放されることは、それが一時とは云え快楽なのです。悲観から楽観に変わるのです。
 ただ、このことは謂わば“理性の放棄”ともいうべき、在り得べかざる行為なのだと思います。問題の本質を隠すどころか、悪化させているだけでしょう。あまり理性的な人間の取るべき態度ではありません。


 特に、私のような精神薬に身体を慣らした人間にとっては禁忌というべきなのですが・・・。なんというか、お酒に逃げたくなります。今も深酔いしたまま、この文章を書いていますが、どうしていいのか分からないものです。人生は思ったとおりにはなりません。


 しかしながら、何かの本に、何かの台詞に『人生なんて思うようにいったら、それこそおかしい』という言葉があったことを思い出します。
 しばらく、まだしばらくお酒を飲みます。飽きるまで。