小さな命が呼ぶとき

 ハリソン・フォード主演による実話ベースの社会派系の映画です。非常に素晴らしい映画でした。


 ポンペ病 (Pompe disease)という平均寿命9年の難病を抱えた子を持つ主人公が、変人科学者と共に新薬作りに取り組む姿を描いています。一流のビジネススクールを卒業し、将来も約束された主人公が、余命1年もない娘と息子のためにキャリアをかなぐり捨ててバイオベンチャーを立ち上げます。
 資金の打ち切り、買収、製薬企業としての壁、臨床試験・・・。さまざまな困難が主人公を襲いますが、それでも果敢に立ち向かう主人公と変人科学者に感動してしまいました。


 “難病”“余命”が題材の邦画は“諦め”“お涙頂戴”なのに対し、洋画は“葛藤”“執念”に尽きます。挫折、悩み、苦しみ、諦めが混在する心理状態のなかでもなお行動しようとする主人公に圧倒される。それも金やキャリアといったことが行動の理由なのではなく、“家族愛”“情”が生み出す行動なのです。
 そこがアメリカ人らしいところだなぁと思いました。


 難病のある人生には、逃げず、諦めず、先に進むことが必要なのかもしれませんね。非常に勇気を貰いました。