シュークリームキット

近所のスーパーで、こんなものを見つけました。

裏表紙の説明書きを見ると

シュー皮はレンジで温め卵1個を混ぜて焼くだけ、
カスタードクリームは卵と混ぜるだけ。
簡単にシュークリームが作れます。

価格は198円(OKストアにて)。
お菓子作りが趣味の方なら分かると思うのですが、初心者のシュー生地は大抵“潰れ”ます。オーブンで焼いても膨らむ事無く“パサパサしたクッキー”のように悲惨なものができるものです。
(´Д`).。o○(そんな簡単にシュー生地できるわけないじゃん)
(´Д`).。o○(・・・作ってみるか)
買いましたw


で、出来上がりがコチラ。

ものの40分で出来ました。本当に“普通のシュークリーム”でした。味も普通。見た目も普通。あれだけ苦労するシュー生地が手軽にできるとは、まさに驚きです。お子様の情操教育にも最適かもしれません。


(´Д`).。o○(これって特許製法だったりして)
とか思いましたら、やっぱりそうでした。

そこには小さく『特許出願中』の文字が。IPDLにて請求の範囲「レトルト」、出願人/権利者「日本製粉」で調べて見たところ

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2007−282504(P2007−282504A)
(43)【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
(54)【発明の名称】レトルトシュー種並びにこれを使用したシュー生地及びシュー皮
(51)【国際特許分類】

A21D 8/02 (2006.01) A21D 13/08 (2006.01)
【FI】

A21D 8/02 A21D 13/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2006−109580(P2006−109580)
(22)【出願日】平成18年4月12日(2006.4.12)
(71)【出願人】
【識別番号】000231637
【氏名又は名称】日本製粉株式会社
【住所又は居所】東京都渋谷区千駄ヶ谷5丁目27番5号
(74)【代理人
【識別番号】100130661
弁理士
【氏名又は名称】田所 義嗣
(72)【発明者】
【氏名】出口 浩二
【住所又は居所】神奈川県厚木市緑ヶ丘5丁目1番3号 日本製粉株式会社開発本部加工技術研究所内
(72)【発明者】
【氏名】水野 隆志
【住所又は居所】神奈川県厚木市緑ヶ丘5丁目1番3号 日本製粉株式会社開発本部加工技術研究所内
【テーマコード(参考)】

4B032
【Fターム(参考)】

4B032 DB20 DG02 DK18 DL01 DP02

(57)【要約】
【課題】シュー皮を簡便に製造するためのシュー種及びこれを使用して製造したシュー生地及びシュー皮を提供することを目的とする。
【解決手段】穀粉15〜45質量部、油脂15〜45質量部、水25〜60質量部を含む原料をレトルト処理したことを特徴とするシュー種、また、前記シュー種を使用したことを特徴とするシュー生地、さらに前記シュー生地を使用したことを特徴とするシュー皮である。本発明のレトルト 処理したシュー種は常温で長期間保存できる。
【選択図】なし

【特許請求の範囲】
【請求項1】
穀粉15〜45質量部、油脂15〜45質量部、水25〜60質量部を含む原料をレトルト処理したことを特徴とするシュー種。
【請求項2】
請求項1に記載のシュー種を使用したことを特徴とするシュー生地。
【請求項3】
請求項2に記載のシュー生地を使用したことを特徴とするシュー皮。

『レトルト シュー種並びにこれを使用したシュー生地及びシュー皮』(出願P2006-109580)が当該技術のようです。
「冷凍設備が不要で」(市販のシュークリームは、冷凍された特殊加工済み生地を焼き上げるorボイルするそうです)
「常温で長期の保存が可能」
「シューミックス粉よりも簡便にシュー生地が調製でき」(冷凍された生地以外の先行技術に対して)
「温度調整を必要としない」
と、最良の形態で記載されていました。そこらへんが進歩性・新規性なのだと思われます。エクレアとか油で揚げても美味しいみたいです。


もし、お時間&ご興味があれば試してみて下さい。実施例の官能評価によれば、味は“普通”らしいですから不味くはありませんよw