御用学者のように

特許法第2条 
この法律で「発明」とは、自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものをいう。

特許を知りたければ、条文を読み解くことです。


東大を代表する哲学者の一人、西部邁をして「人工言語に傾くものとしての概念・理論と、自然言語に傾くものとしての思想・実践とを両立させる」と標榜しています。言語にはそれ一定の役割があるという考えは、私の「夏休みの自由研究」にも大きな影響を与えました。
以前、ソフトウェア分野では深く研究されていると知り、何とか明細書に新たなアプローチを加えてみたいと野望を持ったわけです。で、生成文法や特許工学など考えられるアプローチをビシバシぶつけてみたのですが、「そもそも論点がずれていた」ということにようやく気がつくことになりました。先の言葉に照らし合わせれば、特許にかかる発明とは思想そのものですし、主たるや自然言語。しかし、私たちが持つ分析ツールは人工言語に拠る所が基本的に大きい。それら二つを一緒に考えても相関関係は立証しえても因果関係は証明しきれない。難解以前にセンスレスだったと思うに至ったのです。


もっとキナ臭い話をすれば「誰が利益を得るように仕向けるのか」といった意図もなかった。いや、なかったほうが良かったのかもしれませんが、それでは実にインパクトが欠けるのです。条文の定義を軸とし、相関と因果を明確にし、関与者の協調と利益を旨とする。で、この3つを大事すると大体の構想が結実する。
で、この3つを大事にしてできたものは「御用学者の考えた御用論文」のようなものになります。残念ながらw
今回はそれを逃れたことを鑑みるとよかったのでしょうか。よく分かりません。