HIV検査での一幕

先進国では唯一、日本が感染者数の増加を推移しています。
血友病患者の薬剤感染に端を発した“薬害エイズ訴訟”やエイズを取り上げたドラマで世間の関心を引いたものの、その影響は一過性に終わりました。後輩がHIVについて述べていたので、私も昔話を書こうかと思います。研究を退いた人間なので、後輩のように論文読んだりする知識も力もありませんが、その点はご了承下さい。


一般の方はご存じないと思いますが、最寄の保健所に行けばHIV検査を受けられます。
もちろん匿名・無料です(自治体によっては予約が必要な場合もあります)。結果は採決後およそ7日で分かるシステムで、もちろん告知は密室で行われます。陽性の場合は偽陽性の可能性も考慮し、検査機関でより厳密な二次検査を受けることになります。大阪ならアメリカ村で“即日30分検査”が実施されていると記憶しています。


3年ほど前のことです。東京都内の保健所にて“即日30分検査”というHIV検査を受けました。これは簡易判定によって、その場で結果を知ることができる検査です。些細な事から感染を心配して検査を受けたのです。
その日は雪模様でして、家から余った服を着込んで行きました。HIVに関するビデオが延々と流されているロビーへ座ると、まず番号札を渡されます。次に採血室に呼ばれ、そこで簡単な問診表を手渡されます。名前(仮名でも無記名でも可)、年齢・性別(無記名でも可)、どんな経由で感染したか(性交渉・母子感染・麻薬などの回し打ちなど)などなど。それを書き終わってから採血。採血量は50cc程度です。
それから30分〜1時間ほど待つと医師のいる部屋に通されます。そこで手持ちの番号と名前を確認すると結果を告知されるわけですが・・・そこで事件が起きたのです。


そこには田嶋陽子女史ばりの女医が座っていました。
女医(゚∀゚)「○○番・Futabaさん?」
私(´Д`)「・・・は、はいそうです」
女医(゚∀゚)「結果は陰性ですよ」
私(´Д`)「・・・(よかった!)そうですか、ありがとうございます」
女医(゚∀゚)「で、パートナーの方は一緒じゃないの?」
私(;´Д`)「・・・え?(どうしよう、適当に誤魔化すか)いや、別に受けてますので」
女医(゚∀゚)「そう、じゃあこれを渡しておきますから」
女医(゚∀゚)つパンフレット


パンフレットを見ました。
『同性愛者のためのHIV
と書かれていますw
表紙はマッチョです。
中身を見るとマッチョとマッチョが抱き合っています。
裏地もマッチョです。
もうマッチョマッチョです。
頭がマッチョのオンパレードです。


私(;´Д`)「・・・(何だこれ!)あの、その」
女医(゚∀゚)「いいのよ別に、よくある事だから」
私(;´Д`)「いやあの俺別にホモじゃないn」
女医(゚∀゚)「でもねー、パートナーの方も一度受けた方がいいわよ」
後で気が付いたのですが、私は2つのミスを犯していました。
一つは問診表。感染をなぜ疑ったのかという選択欄で『性交渉』と私は○を付けましたが、同性愛・異性愛の欄にはどちらにも○をしませんでした。これは世間体を気にして付けたのです。疑った理由は些細な事だったのですが、でも性交渉ではなので異性愛にも○ができず渋ったのです。
もう一つは服装。実家に帰省中のためにまともに着る物がなく、身長が・体型が一緒である妹の冬靴とコート、ジャケ、マフラー、手袋など一式を借りて行ったのです。これがまさに致命的でした。
私(;´Д`)「あのホントに違うんですけど」
女医(゚∀゚)「こちら(異性愛者のためのHIV)も渡しておきますけど」
女医(#゚∀゚)「パートナーも大切にしなきゃだめよ!」
私(;´Д`)「・・・(どうしようもないぞ、こりゃ)」


結論①:HIV検査を受けましょう。
結論②:残念ながら、厳密な保健所いえど一部“観察力に長けた”“お節介”な人がいます。
結論③:妹から服を借りちゃダメ、絶対w