親方はつらいよ
- 作者: 高砂浦五郎
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2008/07/18
- メディア: 新書
- 購入: 1人 クリック: 21回
- この商品を含むブログ (6件) を見る
例えば、朝青龍が部屋に引きこもった際、親方自ら出向いて行った事については「こだわりはなかった」と述べられていたり、次々と異なる医師が別々の診断をしたことで「かえって事態が混乱した」と実は感じていたり。あのヘロヘロした態度でパイロット服ばかり着ていたイメージとは裏腹に、当事者にも関わらず冷静&客観的に物を見ていた事に感心しました。事態が悪化の一途を辿った中で、大した気の持ち様です。
それから、自らの親方としての教育法も記されていまして、むしろこっちの方が面白かった。親方は「勝ったときに苦言を呈し、負けたときには何も言わない」らしいのですが、その理由は「勝ったときは余裕があるので聞く耳があるから、改善が見込めるから」なんだそうです。言われてみればその通りですが、実践してる人を意外と見たことがありません。他にも「昔は野山で鍛えたものだ、と若い世代を叱る年配の方」に対しては「その当時は野山しかなかった仕方なかった、でも今はトレーニングルームがあるじゃないか」と結構まともな事を述べるw
見た目とは裏腹に、物事をよく見定めようと考える人なのかもしれません。まあ、そうでなければ横綱を輩出する親方ではないはずなので、優れた指導者であることには変わりはありません。
(゚∀゚)ちなみに、高砂親方は私と同じ近大卒です。大学の先輩にあたるのですね、初めて知りました。