【本】快楽主義の哲学

快楽主義の哲学 (文春文庫)

快楽主義の哲学 (文春文庫)



日本資本主義の父である渋沢栄一の親戚筋にあたる名家の出身。
サド・マゾといった特殊たる分野に精通していた文学者。
私が気に入る作家の一人でもあります。
澁澤龍彦のような巨人には、二度とお目にかかれないでしょうね。


車中で暇つぶしに読んでいて、まだ半分しか読んでないのですが
最初の段落では
『幸福は主観的で、快楽は客観的である』
といった主張がされており、大変気に入りました。
他人から見れば貧しい生活で幸せでなくても、当人が幸せだと言ったらそれは幸福なのです。
人それぞれ、幸福に対する考え方は違う。
その点で主観的。


対して、快楽は人間に共通する感覚であり、性交渉といった形はこの幸福感とは比較にならない強烈なものである。
その点で客観的。


まあ、言われてみればそうだろうなぁと思いました。
レジャーなんかで幸福を得る欲望を押さえつけた幸福ではなく、動物的に欲望に任せて快楽を貪る生き方が良いと。
反面、今の自分の小市民的な生き方を否定されている気もしました。
胃が痛くなりますw
それと電車の中で読むと官能小説を読んでいる気分で、何だかそわそわします。
あぁ、自分はなんて小心者なのでしょうorz