贅沢なる不満

会社の同僚同士の話に、どうもついていけません。


「沖縄に行くんだけど、○○ホテルの予約が取れない」
「ヨーロッパに行くけれど、○○航空の席がなかなかない」
「○○のライブ、帰りは○○のディナーを予約したい」
「持ち株会の株を売る時期は○月に限る」
「クルーザーの保管料が○○円上がった」
「○○のシフォンケーキが売り切れで並んでも買いたい」


正直、どれもこれも「知らんがな」としか言いようがない内容です。
生活には全く困っていないが、もっと上の物が手に入らない。
そんな話ばかり。

「もっと良いものを!」

私の会社は不景気を知らないためか、社員のマインドが常にこれです。
生活苦を知らない。
それ故、地を見る癖がない。


何もなくなると、人間の目線は下に落ちるものです。
地を見ると、研究の着眼となる事象がいかに多いことか。
参道を歩く野良犬。
打ち捨てられた、くまもんのぬいぐるみ。
聖書を読みふける無宿者。
捨てられた舟券
水浸しになったタバコの空き箱。
ブルーカラーの外国人の会話。


考える材料がそこかしこと点在しているにも関わらず
それがあたかも存在しないかのように振舞う同僚らに、どうも愛想が尽きたのです。


「社会問題に関心を持て」とか、「政治的レベルの話をしろ」とか
そういうことではなく
もっと地に足の着いた話であって欲しい。
考える材料をもっと集めたい。作って生きたい。


そんなわけで、こんな上ばかり見る会社には
定年まで居るつもりが更々無いのです。