派遣会社とコンプライアンス

最近の派遣会社の営業担当者は、結構大変みたいです。
皆さん、目が死んでいらっしゃる。


理由は2つ。

労働市場が「超売り手」状況にあるため、派遣人材が確保できない。

・派遣料金は上がるも、マージン率と昇給が追いつかない。

ノルマもあるでしょうから、顔は笑っていても目が死んでるわけです。


派遣元の窓口も兼ねる私にとって、目が死んでるだの、営業担当者が必死だのはどうでもよろしい。
最も目を光らせているのは、コンプライアンス違反です。


営業担当者も必死になりますから、労働者派遣法の目的からかけ離れたことを平気でやろうとする。
で、派遣元の私が止めに入る。
去年には見られなかった傾向です。


そもそも論から言えば
コンプライアンス以前に、派遣制度そのものはどうなんだ」とか
「改正派遣法なんて、あんなの派遣社員の固定化そのものじゃないか」とか
ご異論は色々あるかと思います。
ですが、私は「人として、そりゃ駄目でしょ」ってことをしたくないのです。


派遣社員は単なる“労働力”かもしれない。
ただし、それ以前に“人間”であることには変わりはない。
尊厳も、権利も、義務も法の下には等しく認められているはずですから
これを無視することは重大なるコンプライアンス違反なわけです。


派遣社員に一番近い営業担当者や指揮命令者が、こうした点をほとんど理解していない。
法律をまともに理解していない人々が派遣社員を使っている状況は、正直言って危ういです。


幸いにして、私は法学を齧った事がありますからその点は問題がない。
しかし、課長職や部長職の方々の命令には逆らえない。
常にディレンマと戦っている毎日でございます。