長介・工事のばか兄弟

 このコントは、観ていて興味深いものがあります。
 特に、次のシーンは。
 (私の記憶違いかもしれませんが)


 あんちゃんが怪我をして薬を探そうと部屋を出ます。
 弟が「あんちゃん!馬鹿につける薬はない!」と言って止めに入ります。
 が、あんちゃんは
 

 「馬鹿にも効く薬はありませんか〜!?」

 そう叫びながら、再び部屋を出るのです。


 面白い発想だなぁ、と思いましたね。


 「馬鹿につける薬はない
 という文章は、どちらかといえばネガティブな固定概念。
 対して、
 「馬鹿にも効く薬
 という文章は、物事に対して実によく出来た、肯定的な捉え方です。


 些細な言葉の運び方の違いで、ここまで大きな概念の差が生じるところに言葉の魅力があります。
 『ドリフは、単なるお笑いに過ぎない』と思っていましたが、
 当時の時代背景を勘案してもなお、その魅力は使われている台詞一つ一つにあるのだと、今更ながら考えてしまいます。