「余計なことを言わない」主義の愚

 誰しも計算高いわけではなく、何気なく「余計なこと」を言ってしまうものです。


 我が祖父などは典型的でして、
 部下に「○○さんからお中元を貰った」と話したが為に、社内政争に巻き込まれ
 子会社の役員へ出向という憂き目にあったと聞き及びます。


 「余計なことを言わない」
 実に消極的な対応ですが、処世術としては当然の話なのかもしれません。
 誰しも、トラブルの元を作ったり、トラブルに巻き込まれるのは避けるものです。
 しかし、事業の懸念材料を「余計に」開示することは、ときとして必要となることがあります。
 これを叱責し、乃至は無視するようになると、嫌でも萎縮的になります。


 こうなってしまっては、会社としてほとんど終わりに近い。
 上位者になればなるほど、その点を理解していない方が多い。


 この主義は、最終的に問題が膨らみ続け、最後の後任者がババを引くことになるのですが、
 その点を理解されていない。
 私にとって、誠に残念で他なりません。