酒、そして

 「俺には、酒を残す奴の気が知れない」
 病院の待合室にて、そんな事を言われたことがあります。


 その方はアルコール依存で通院されていて、断酒会にも出ているとのこと。
 聞けば聞くほど「なるほどなぁ」と思ってしまう部分がありました。
 上の台詞など、まさに納得です。


 一時期は出社前に飲んで、
 帰ってから飲んで、
 寝る前に飲んで、
 寝起きに飲んで、
 VOクラスの安いブランデーが、4リットル1週間でなくなるペースでした。
 そこにお酒があれば、あればあるだけ飲んでしまう。


 今考えても、そんな状態で良く仕事をしていたものです。


 今でも「お酒飲みたい」と思う衝動に駆られる時があります。
 主治医は「別に飲んでも構わない」と仰いますが、そうはいきません。
 酒の席で羽目を外す者は多数いても、歯止めが利かなくなるほど飲みたくなる衝動が常に存在する者は少ないものです。
 自分の場合は、その中間です。


 お酒が楽しく飲めるのは、幸せなことですよ。