記憶はウソをつく

記憶はウソをつく (祥伝社新書 177)

記憶はウソをつく (祥伝社新書 177)

 

 記憶の捏造には実際の経験の断片が素材としてうまく組み込まれている(pp.41)

 もう一つの法則は、想像しイメージしたことが、時を経るにつれて現実に経験した出来事の記憶の中に紛れ込んでいく(pp.72)

 ヒトの記憶。
 それは「現実に経験した素材」と「想像によって作り上げられた偽の素材」によって成り立っているもの。それら素材に対する明確な境界線を引くことはできません。

 法則の一つは、記憶には今自分が置かれている状況に合わせて書き換えられる習性がある(pp.70)

 思い出した時点によって、記憶は“今”に合わせようとする。
 記憶は自己防衛機能を発揮し、記憶は“記憶”として残ろうとするのです。


 記憶は、揺らぎ、変質し、偽の記憶が紛れ込み、そして忘れ去られる。
 弱々しく儚い存在ですが、私たちはそれなしでは生きていけないのも事実なんですね。