私は病気なのか何なのか

例えば、ここに一年中“胃の痛み”に苦しむ人がいたとしましょう。


町医者は「胃薬を出しておきましょう」と言い、彼に胃薬を渡しました。薬を飲むと、確かに痛みは消える。しかし、胃の痛みは一向に治る気配すらありません。
毎回胃が痛くなり、その度に医者に掛かり、胃薬を貰う。しかし“胃の痛み”から、日に日に仕事にも日常生活にも支障をきたすようになってきました。


こうして半年も続けば、彼はこう心配するはずです。
「これは、何か本格的な病気かもしれない」
急性胃炎かもしれない。慢性胃炎かもしれない。十二指腸潰瘍かもしれない。胃潰瘍かもしれない。自律神経失調症かもしれない。胃癌かもしれない。最近の寝不足のせいかもしれない。仕事上のストレスからかもしれない。それとも、単なる体質かもしれない。


しかし、彼には分からないのです。どうやって対処し、この心配を取り除くことができるのか、分からないのです。あらゆる本を読んで勉強したけれども分からない。なぜならば、大規模な検査をして病名が確定しない限り、彼には「〜かもしれない」としか言いようがないのです。根本的な原因がはっきりしない以上、どうしようもないのです。


今週金曜日、有給休暇を取りました。主治医に対して、大学病院への紹介状を書いて頂こうと思います。全ては病名を知るために。