人間の関係

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“無償の善意”について述べた章があります。「自分はボランティアとして善意を示したにも関わらず、相手から何の感謝もされなかった」と嘆く友人に「そんな姿勢だったらボランティア辞めろ」と五木は忠告します。人間の関係においては、相手を信頼し、見返りを求めず善意を示した方が人生が拓ける。


“無償の善意”
何と難しいことか。
昨日の私は、五木に嘆く友人そのものでありました。院の友人に善意を示したにも関わらず、私にだけ謝意がなかった事実に困惑したからです。“自分は皆から馬鹿にされている”とさえ考える程にショックは大きく、一晩眠れませんでした。
人間は善意を示した瞬間から、無意識のうちに見返りを求める生き物です。理論で否定しようにも、感情はおぼつきません。“無償の善意”は、その言葉に魅力があり、実践できる人物もまた魅力的です。しかし、どうすれば実践できるものなのか。それは唯一、人間関係から学ぶしか方法がありません。自ら実践していくうちに身に付くものだとしか言いようがないのです。そこにしか方法がない。人から敬意を示される人であれ馬鹿にされている人であれ、余裕の差があるにしても方法論は一緒です。


そこにしか答えがない以上、人間関係を避けて通るのは間違いでしょう。チャンスが転がっていると考えれば、私は逃げようと思いません。